2010年7月1日木曜日

ヒ素と塩の関係

日本は火山国の故にヒ素混入の危険性は全国あまねく存在する。日本の温泉水の多くが許容摂取量をこえるヒ素を含んでいる。ヒ素は古代から毒殺に用いられたほどの毒性があるもので、温泉水を常用すると慢性ヒ素中毒になる。「50歳代の女性が、胃腸病に効くと言われている秋田県のトコロ温泉の温泉水を飲み始め数カ月して黒褐色の色素が全身に網の目状に沈着、手掌、足底の皮膚に角化を生じ、慢性ヒ素中毒と診断された。患者が飲んでいた温泉水から基準値の1000倍のヒ素が検出された」(『健康食 品中毒百科』丸善)という例は決して珍しいことではない。
わたしの親しい土壌汚染除去業者から聞いた話だが、ある有名な自然塩メーカーの製造した藻塩から多量のヒ素が検出されたというのだ。原因究明と汚染された塩の処置がその業者に依頼された。かかる事態の背景には、健康に気を使うヒトたちが(砂糖の場合も同じであるが)、精製されて真っ白になったものを好まない。精製されたものは毒であるという馬鹿げた信念を持つ健康食品関係者に影響されて不純物あるいは有害なものがはいったものを好む傾向がある。まじめに精製すれば起きない問題である。
原因はすぐに分かった。藻塩の藻に原因があったのだ。ひじきとか藻には海中に含まれるヒ素を濃縮する性質がある。ひじきを毎日1.25g1週間食べると50kgのひとで週間耐容摂取量を越すほどである。すなわち多量のヒ素が藻から塩に移行したわけだ。以後ヒ素に汚染されていない藻が使われた。
もしあなたが浄化されていない濁った水を飲めと言われ飲むだろうか、温泉水を飲んで慢性ヒ素中毒になった女性の例がある。白くない塩や砂糖にはごみが入っていると思った方がよい。健康のために死んではならぬ。

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